お部屋探しをするとき、昔から地元で不動産屋さんを中心に回るかどうか迷うことがあります。
これには不動産業界のネットワークや仕組みを少し知識として入れておくと理解が深まります。
果たしてどちらのほうが良いでしょう。また昔ながらの不動産屋さんの強みとは何でしょうか。
そんな中、昔ながらの不動産屋さんを勧める意見を頂戴しました。
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古くからある地元の不動産屋さんが良いです
ネットで部屋探しもできる時代ですが・・・あまりお薦めはしません。
どちらかと言えば、やっぱり、住もうと思っている地域で、昔から営業を続けている不動産屋さんで相談するのが良いと思います。こういうところは、そこの人達も、その町に住んでいたりしますから、情報の「濃さ」が違います。
特に、旦那さんではなく奥さん、いわゆる「不動産屋のおばちゃん」に相談できると、話が全く違ってきます。
買い物ひとつ取ってみても、「ここにスーパーありますから、買い物はできます」というレベルと、「こっちの店は高いからダメ!自転車買ってこの店まで行きなさいよ!」というレベルで情報を貰えるのでは、その後の生活が全然、違ってきます。
こういうおばちゃんは、さらに「自転車買うなら、ここ。この店ね」タダで配達してくれる様に、私が電話しとくから。とか、人脈をフルに活用して便宜を計ってくれます。
商売と言うよりは、「新しく引っ越してくる人の役に立つ」事が嬉しいと言う感じなのでしょう。
さらに、自分自身が買い物をして、子供を育てている経験者です。「こっちの小学校は、ここで大きい通りを渡るからねぇ・・・。このアパートだと、歩道橋も遠いし、どうせなら、こっちの物件がいいと思うね」など、男性からは出ない発想で話をしてくれます。
また、「中学校はちょっと遠いけど、中学生なら歩ける距離だよ。小学校が遠いのは大変だけどね」とか言われると、男性である私などは、深く納得してしまいます。
その後、いろいろと相談する事を考えても、やはりこういったタイプの不動産屋さんを探すのが良いと思います。
地元の不動産の強みとは?
お部屋探しの大前提として、多くの人が勘違いしていることがあります。
それは「地元の不動産店舗の方がその場所の部屋が多い」ということです。
不動産会社が扱うお部屋はすべてネットワークでつながっていますので、どの店舗で探してもらっても出てくるお部屋は同じです。極端な話、東京の不動産屋さんが北海道のお部屋の状況を調べることも可能です。つまり、どこで探しても同じ、ということです。
では、昔ながらの地元不動産の強みは何かというと・・・
- 地元の不動産のほうが、その場所の土地勘がある
- まれに、その不動産屋でしか扱っていないお部屋がある
ということです。
寄せられたご意見のように、(良い意味で)世話焼きな方もいて、いろいろその土地の情報を教えてくれる場合もあります。全く知らない土地であれば耳寄りな情報でしょう。また、本当にまれにですが、その不動産会社にしか扱っていないお部屋があります。レアなお部屋を探したい場合は、そこに望みをかけるのも良いかと思います。
では、お部屋を探すときはその土地で長く運営している昔ながらの不動産屋が良いのか?というと、
答えは「No」です。断言します。
まず気になるのが、世話を焼いてくれる人の話を聞かないといけないような状況・・これは相当ヤバいです。学校の位置関係を調べることなんてインターネット一つで出来ます。
当サイトで再三伝えている、お部屋探しの大前提「第一に、住むエリアを決める」ということができていない状態です。エリアが絞られていないからこそ、その街の情報を調べようとしていないわけです。もし、子供がいて引越しを考えているようなら、学校に歩くのが大変な距離かどうかは一番始めに調べることです。地元の不動産屋のおばちゃんに言われて「役に立つな~」なんて思うレベルだとダメです。
厳しい言葉をかけるようですが、この考え方でお部屋探しに挑むと必ず失敗します。
さらに、その地元の不動産にしか扱っていないお部屋。
それだけを期待してしまうと、ガッカリすることが多いはずです。
普通のお部屋なら、一般に公開されています。例えば、新築のお部屋がその一つの不動産屋しか扱えないとするなら、大家さんは大損害になりかねません。詳しいことは割愛しますが、なぜ他の不動産屋に出していないのか?普通に考えればわかると思います。
古く運営している年配の不動産屋さんにもデメリットがあります。
それは「融通が利かないことがある」ということです。
例えば、水商売。
水商売と聞くとキャバクラや風俗ばかりをイメージされますが、最近では、女性従業員だけのガールズバーなどもあります。(ガールズバーは飲食店扱いだ・・という不毛な議論はここではしません)
年配の方の中には、昔ながらの考え方の人もいて、「夜の商売なんてダメだ」「親御さんが保証人になってくれないなんて危ない子だ」という見方をされることもあります。
今の若い年代の人たちは、連帯保証人として親御さんを付ける感覚がほとんどなく、賃貸入居時には連帯保証人じゃなく保証会社を使う人も多くなっています。また、夜の仕事といっても居酒屋くらいの感覚でガールズバーで働く子も多いのです。
そこに理解を示してもらえないと、どれだけいいお部屋を見つけてもNGです。
結論、若い人が働く不動産屋でも昔ながらの不動産屋でも、どちらでも良いということです。
地元の不動産屋でも少し離れた不動産屋でも扱っている情報は同じわけですし、新しい不動産屋と古い不動産屋の違いなんてたいしてありません。
その土地の情報を仕入れるのは自分自身でやるべきことです。
安いスーパーなんて自分で探すべきですし、お店の情報は自分で調べるから楽しい部分もあります。仮に、おばちゃんに頼って、教えてもらったお店とは違うお店に行きたい場合、非常に行きづらくもなります。
大切なのは「良いお部屋に住むこと」です。
そのため、不動産屋に期待する部分というのは、
- 提示した条件に合った、良いお部屋を紹介してくれる(出してくれる)
- そのお部屋についての情報を明示してくれる
- 申込みやトラブル時に対応してくれる
ということです。
その土地の情報を教えてもらうことじゃないです。
不動産の会社というより、営業担当についてくれた人の能力や対応を重視したほうが良いお部屋が見つかります。インターネット環境もない、情報を収集する能力もない、というなら昔ながらの不動産屋に飛び込んでいろいろな話を聞くのもアリですね。
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