引っ越しを検討するとき、「家具家電付き物件にするか、それとも自分で揃えるか」という選択に迷う方は少なくありません。
特に初めての一人暮らしや転勤などで新生活を始める場合、家具家電付き物件は手軽に生活をスタートできる魅力があります。
しかし、本当にコストパフォーマンスが良いのでしょうか?
この記事では、家具家電付き物件を選ぶ際のポイントやメリット・デメリット、そして引っ越し費用と設置サービスの見極め方について詳しく解説します。
家具家電付き物件を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
家具家電付き物件のメリット
初期費用を抑えられる
家具家電付き物件の最大のメリットは、引っ越し時の初期費用を大幅に抑えられることです。
新生活を始める際、冷蔵庫・洗濯機・電子レンジなどの家電や、ベッド・テーブル・椅子などの家具をすべて新品で揃えると、数十万円の出費になることも珍しくありません。
家具家電付き物件であれば、これらの初期投資が不要になるため、経済的な負担を軽減できます。
特に、短期間の居住予定がある場合や、初めての一人暮らしで様子を見たい場合には、大きな家具家電を購入するリスクを避けられる点が魅力です。
すぐに生活を始められる
家具家電付き物件では、契約後すぐに生活をスタートできます。
通常の賃貸物件の場合、入居後に家具家電の購入、配送、設置などの手続きが必要で、場合によっては数日から数週間かかることもあります。特に繁忙期の引っ越しシーズンになると、配送に時間がかかることも珍しくありません。
家具家電付き物件であれば、荷物を運び入れるだけですぐに生活が始められるため、仕事や学校が忙しい方にとって大きな時間の節約になります。
引っ越し費用の削減
大型家具家電の運搬は、引っ越し費用を大幅に増加させる要因の一つです。
冷蔵庫や洗濯機、ソファなどの大型家具は、専用の設備や人手が必要になるため、引っ越し業者の料金が高くなります。家具家電付き物件であれば、これらを運ぶ必要がないため、引っ越し費用を大幅に削減できます。
また、引っ越しの際の梱包作業や荷解き作業の手間も少なくなるため、体力的な負担も軽減されます。
家具家電付き物件のデメリット
家賃が割高になることが多い
家具家電付き物件は、同じエリアの同規模の一般物件と比較すると、家賃が10〜20%程度高くなる傾向があります。これは、家具家電のレンタル料や管理費が家賃に上乗せされているためです。
長期間住む予定がある場合、この家賃の差額が積み重なると、自分で家具家電を購入するよりも総額で高くなってしまうことがあります。
例えば、家賃の差額が月1万円の場合、1年で12万円、3年住むと36万円の差額になります。この金額で新品の家具家電をある程度揃えることができるため、居住予定期間に応じた判断が必要です。
好みや希望に合わないことがある
家具家電付き物件に設置されているものは、オーナーや管理会社が選んだものであるため、必ずしも自分の好みや希望に合ったものとは限りません。
デザインや機能性、サイズなど、こだわりがある方にとっては不満が残る可能性があります。
特に、テレビのサイズやベッドの硬さなど、個人の好みが大きく分かれる部分については要注意です。生活の質に直結するため、事前に確認することをおすすめします。
経年劣化や故障のリスク
家具家電付き物件の多くは、前の入居者が使用していたものや、比較的安価なモデルが設置されていることが多いです。
そのため、経年劣化や故障のリスクがあります。特に、エアコンや冷蔵庫などの主要家電が故障した場合、修理や交換の対応が遅れると生活に大きな支障をきたす可能性があります。
物件によっては故障時の対応方針が契約書に記載されていることもあるため、契約前に確認しておくことが重要です。
家具家電付き物件を選ぶ際のポイント
設置されている家具家電の種類と状態をチェック
物件を検討する際は、どのような家具家電が設置されているのか、その種類と状態を必ず確認しましょう。
一般的な家具家電付き物件には、以下のようなものが含まれています。
- 冷蔵庫
- 洗濯機
- エアコン
- 電子レンジ
- テレビ
- ベッド(またはソファベッド)
- テーブル・椅子
- 照明器具
これらがすべて揃っているかどうか、また実際に動作するか、傷や汚れがないかなど、内見時に細かくチェックすることが大切です。
特に、冷蔵庫や洗濯機などの大型家電は、動作確認を依頼しましょう。
修理・交換のルールを確認
家具家電は使用していると故障することがあります。家具家電付き物件を選ぶ際は、故障時の修理や交換のルールについて、契約前に確認しておくことが重要です。
一般的には以下のような対応が考えられます。
- 入居者の過失による故障は入居者負担
- 経年劣化による故障は大家負担
- 一定期間(例:1年間)は大家負担、以降は入居者負担
特に重要なのは、緊急時(冷蔵庫の故障など)の対応スピードです。管理会社の対応の良さも物件選びの重要なポイントとなります。
追加設置の可否を確認
自分の好みの家具や家電を追加で設置できるかどうかも確認しておきましょう。
例えば、趣味で使用する大型テレビやデスク、本棚などを持ち込みたい場合、スペースの問題や電気容量の制限がある場合があります。
また、退去時に自分で持ち込んだ家具家電の処分方法についても、事前に確認しておくと安心です。
コストパフォーマンスの比較方法
居住予定期間で総コストを計算
家具家電付き物件と一般物件のどちらがコスパが良いかは、主に居住予定期間によって変わってきます。
以下の計算方法で比較してみましょう。
家具家電付き物件の場合:
- 月額家賃 × 居住予定月数
- 初期費用(敷金・礼金・仲介手数料など)
- 引っ越し費用(少額の荷物のみ)
一般物件の場合:
- 月額家賃 × 居住予定月数
- 初期費用(敷金・礼金・仲介手数料など)
- 家具家電購入費用
- 引っ越し費用(大型家具家電含む)
- 家具家電の配送・設置費用
一般的には、1年未満の短期居住では家具家電付き物件の方がコスパが良く、3年以上の長期居住では一般物件に自分で家具家電を揃えた方がコスパが良くなる傾向があります。
引っ越し費用と設置サービスの見極め
引っ越し費用や家具家電の設置サービス費用は、物件選びの際に見落としがちなポイントです。
以下の点に注意しましょう。
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引っ越し業者の見積もり比較:大型家具家電の有無で引っ越し費用は大きく変わります。複数の業者から見積もりを取り、比較することをおすすめします
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家電量販店の配送・設置サービス:家電を購入する際、配送料や設置工事費が別途かかることがあります。特にエアコンの設置は工事費が高額になることも
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不用品の処分費用:引っ越しの際に不要になった家具家電の処分費用も考慮しましょう。粗大ゴミ処分料金や買取サービスの利用なども検討できます
これらの費用をすべて合計して比較することで、より正確なコストパフォーマンスの判断ができます。
家具家電のグレードと価値
家具家電付き物件に設置されているものと、自分で新品を購入する場合のグレードや価値の違いも考慮すべきポイントです。
物件に付いている家具家電は、一般的に中~低価格帯の製品が多いですが、自分で購入する場合は好みのグレードを選べます。
高機能な冷蔵庫や省エネ性能の高いエアコン、体に合ったマットレスなど、こだわりたいポイントがある場合は、自分で選ぶ価値があるかもしれません。
特に、毎日使うものについては、使用感や快適性が生活の質に大きく影響します。
まとめ
家具家電付き物件は、初期費用を抑えてすぐに生活をスタートできる魅力がありますが、長期的なコストや好みの問題など、デメリットもあります。
最適な選択をするためには、以下のポイントをしっかり検討しましょう。
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居住予定期間を明確にする:短期(1年未満)なら家具家電付き、長期(3年以上)なら一般物件が費用面で有利なことが多い。
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生活スタイルと優先度を考える:こだわりの家具家電があるか、機能性を重視するか、デザイン性を重視するかなど。
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物件の家具家電の状態を確認:実際に使用できる状態か、故障時の対応はどうなるかなど。
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総コストを計算して比較:家賃差額、初期費用、引っ越し費用、設置費用などをトータルで考える。
家具家電付き物件は、新生活をスムーズにスタートさせたい方や、短期間の居住予定がある方にとって大きなメリットがあります。
一方で、自分のライフスタイルに合わせた環境を作りたい方や、長期的な居住を考えている方は、一般物件に自分で家具家電を揃える選択も検討する価値があります。
最終的には、物件の立地や間取り、家賃などの基本条件と合わせて総合的に判断し、自分にとって最も快適で経済的な選択をすることが大切です。
内見の際には、この記事で紹介したポイントをチェックリストにして活用してみてください。きっと、理想の新生活への一歩を踏み出すことができるでしょう。
