お金・費用

【年金暮らしの賃貸】無理なく暮らせる家賃設定の考え方と補助制度を解説

記事内に商品プロモーションを含む場合があります

セカンドライフを迎え、年金での生活が始まると、日々の暮らしの中で住居費が大きな割合を占めるようになります。

特に賃貸住宅にお住まいの場合、「今の家賃を払い続けられるだろうか」「もっと家賃の安いところに引っ越した方が良いのか」といった不安を感じる方も少なくないでしょう。

年金という限られた収入の中で、安心して快適な生活を送るためには、ご自身の状況に合った無理のない家賃設定が非常に重要です。

この記事では、年金収入を基にした適切な家賃の考え方、具体的な計算方法、そしていざという時に頼りになる公的な家賃補助制度について詳しく解説します。

年金暮らしにおける家賃の重要性

現役時代と比べて収入が限られる年金生活において、住居費、特に家賃は最も大きな固定費となります。この家賃の設定を誤ると、生活全体に大きな影響を及しかねません。

だからこそ、ご自身の収入と支出のバランスを正確に把握し、無理のない範囲で家賃を考えることが、穏やかなセカンドライフを送るための第一歩となるのです。

なぜ家賃設定が重要なのか?

年金生活における家賃が重要な理由は、主に二つあります。

一つは、家賃が毎月必ず発生する「固定費」であることです。食費や光熱費のように節約で調整することが難しく、一度契約すると簡単には変更できません。

もう一つは、収入に占める割合が大きい点です。特に年金収入の場合、家賃がその大部分を占めることも珍しくなく、設定金額によっては他の生活費を圧迫する大きな要因となります。

家賃が生活を圧迫するケースとは

もし収入に見合わない家賃の物件に住み続けると、どのような問題が起こるのでしょうか。まず考えられるのは、食費や趣味にかける費用を切り詰める必要が出てくることです。

友人との交流や外出の機会が減り、生活の質が低下してしまうかもしれません。さらに深刻なのは、病気や怪我をした際の医療費や、将来のための貯蓄を切り崩さなければならない状況です。

このような事態を避けるためにも、現実的な家賃設定が不可欠です。

無理のない家賃上限の計算方法

「家賃は手取りの3分の1が目安」とよく言われますが、この基準は現役世代を想定したものです。

年金生活者の場合、医療費や介護費など、現役時代にはなかった支出が増える可能性を考慮する必要があります。

ここでは、ご自身の状況に合わせて、無理のない家賃上限を算出するための具体的なステップをご紹介します。

ステップ1:まずは手取り年金額を正確に把握する

最初に、毎月(または隔月)いくらの年金が口座に振り込まれているかを確認しましょう。

注意したいのは、年金の「額面」ではなく、所得税や住民税、社会保険料などが天引きされた後の「手取り額」で計算することです。

ねんきん定期便や年金振込通知書などで、正確な手取り額を把握することが、リアルな家賃設定のスタートラインとなります。

ステップ2:1ヶ月の生活費を洗い出す

次に、家賃以外の1ヶ月の生活費をできるだけ詳しく書き出してみましょう。主な項目は以下の通りです。

  • 食費
  • 水道光熱費
  • 通信費(電話、スマートフォン、インターネットなど)
  • 交通費
  • 医療費(持病の治療費、薬代など)
  • 保険料(生命保険、火災保険など)
  • 日用品・消耗品費
  • 交際費、娯楽費
  • その他(冠婚葬祭、被服費など)

過去の家計簿や通帳の記録を参考に、ご自身のライフスタイルに合わせた平均的な支出額を算出することが大切です。

特に医療費は、将来的に増える可能性も考慮し、少し余裕を持たせておくと安心です。

ステップ3:「手取り年金額」から「生活費」と「予備費」を引いて家賃上限を算出

手取り年金額と1ヶ月の生活費がわかったら、いよいよ家賃の上限を計算します。計算式は非常にシンプルです。

家賃上限額 = 手取り年金額 - 1ヶ月の生活費 - 予備費

ここでのポイントは「予備費」を確保することです。予備費とは、急な入院や家電の故障、親族へのお祝いなど、突発的な出費に備えるためのお金です。

毎月1万円〜2万円でも確保しておくことで、いざという時に慌てずに対応できます。この計算で算出された金額が、あなたが無理なく支払える家賃の上限となります。

年金生活者が利用できる家賃補助制度

【年金暮らしの賃貸】無理なく暮らせる家賃設定の考え方と補助制度を解説

自分に合った家賃の物件が見つからない場合や、現在の家賃の支払いが困難になった場合に備えて、国や自治体が提供する公的な支援制度を知っておくことは非常に重要です。

これらの制度を活用することで、経済的な負担を軽減し、安定した生活を維持することが可能になります。ここでは、代表的な制度をいくつかご紹介します。

住宅確保給付金

住宅確保給付金は、離職や廃業などにより経済的に困窮し、住居を失うおそれのある方に対して、自治体が家賃相当額を支給する制度です。

原則として現役世代を対象としていますが、自治体の判断によっては、年金収入が一定額以下であるなどの条件を満たす高齢者も対象となる場合があります。

まずは、お住まいの市区町村の自立相談支援機関に相談してみることをお勧めします。

特定優良賃貸住宅(特優賃)

特定優良賃貸住宅、通称「特優賃」は、中所得者層向けに、良質な賃貸住宅を比較的安い家賃で提供する制度です。

国と自治体が家賃の一部を補助してくれるため、収入に応じて減額された家賃で入居できます。入居には所得制限がありますが、年金生活者の方も対象となるケースが多くあります。

物件数は限られますが、お住まいの地域の自治体のホームページなどで情報を確認してみましょう。

高齢者向け優良賃貸住宅(高優賃)

高齢者向け優良賃貸住宅、通称「高優賃」は、その名の通り高齢者が安全に、そして安心して暮らせるように配慮された賃貸住宅です。

バリアフリー設計になっているほか、緊急時対応サービスなどが付いているのが特徴です。特優賃と同様に、所得に応じて国や自治体から家賃補助が受けられます。

高齢者の単身世帯や夫婦世帯の入居を想定して作られています。

UR賃貸住宅

独立行政法人都市再生機構(UR)が管理・運営するUR賃貸住宅は、高齢者にとって多くのメリットがあります。

最大の魅力は「礼金・仲介手数料・更新料・保証人」がすべて不要である点です。初期費用や更新時の負担を大幅に抑えられるだけでなく、保証人探しの手間が省けるのは大きな利点です。

一定の収入基準はありますが、年金収入でも基準を満たせば申し込みが可能です。

家賃を抑えるための物件探しのポイント

補助制度の活用とあわせて、物件探しの段階で少し条件を見直すことで、家賃を効果的に抑えることができます。

すべてを妥協する必要はありませんが、ご自身のライフスタイルの中で優先順位をつけ、譲れるポイントを見つけることが、理想の住まいを見つけるコツです。

エリアや駅からの距離を見直す

一般的に、都心部や人気エリア、駅から近い物件ほど家賃は高くなる傾向があります。

例えば、最寄り駅を急行停車駅から各駅停車の駅に変える、駅から徒歩5分だった条件を15分まで広げる、といった少しの変更で、家賃が大きく下がることがあります。

バス便の利用も視野に入れると、選択肢はさらに広がるでしょう。ご自身の体力や外出の頻度を考慮しながら、最適なエリアを見つけましょう。

築年数や設備条件を緩和する

新築や築浅の物件は魅力的ですが、その分家賃も高めに設定されています。築年数が少し経っていても、リフォームやリノベーションで室内がきれいになっている物件は多くあります。

「オートロック」や「宅配ボックス」など、ご自身の生活に本当に必要かどうか、設備の条件を見直してみるのも一つの方法です。

譲れる条件を明確にしておくことで、不動産会社も物件を提案しやすくなります。

シニア向け物件やサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)も視野に

最近では、シニア世代の入居を歓迎する「シニア向け物件」が増えています。

これらの物件は、大家さんが高齢者の入居に理解があるため、審査が比較的スムーズに進むことがあります。

また、安否確認や生活相談サービスが付いた「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」も選択肢の一つです。

一般的な賃貸住宅より費用はかかりますが、介護や医療のサポートが必要になった場合も安心というメリットがあります。

高齢者が賃貸契約で直面する課題と対策

高齢者が賃貸住宅を探す際には、家賃の問題だけでなく、入居審査においていくつかのハードルに直面することがあります。

しかし、事前に対策を知っておくことで、これらの課題を乗り越え、スムーズに契約を進めることが可能です。

保証人が見つからない場合の対処法

賃貸契約で最も大きな壁となるのが「連帯保証人」です。頼める親族がいない、または親族も高齢であるといった理由で保証人が見つからないケースは少なくありません。

その場合の有効な対策が「家賃保証会社」の利用です。保証料はかかりますが、保証人の役割を代行してくれるため、多くの場合でこの問題をクリアできます。

最近では、保証会社の利用を必須とする物件も増えています。

孤独死への懸念と大家さんの不安を解消する方法

大家さんが高齢者の入居に慎重になる理由の一つに、居室内での孤独死への懸念があります。この不安を解消するためには、自ら対策を講じることが有効です。

例えば、自治体や民間企業が提供する「見守りサービス」に加入することや、離れて暮らす子どもや親族と定期的に連絡を取り合っていることを伝えることで、大家さんに安心感を与えることができます。

入居審査に通りやすくなるポイント

入居審査では、家賃の支払い能力に加えて、申込者の人柄も重視されます。

不動産会社の担当者と話す際には、清潔感のある身なりを心がけ、穏やかで誠実な態度で接することが大切です。また、健康状態に問題がなく、自立した生活が送れることをアピールするのも良いでしょう。

緊急時に確実に連絡が取れる親族の連絡先を明確に伝えておくことも、信頼性を高める上で重要なポイントです。

まとめ

年金暮らしにおける賃貸の住まい探しは、まずご自身の収入と支出を正確に把握し、無理のない家賃の上限を定めることから始まります。

手取り年金額から生活費と予備費を差し引くことで、あなたにとって最適な家賃が見えてくるはずです。

もし、希望の家賃内で良い物件が見つからない場合でも、諦める必要はありません。UR賃貸住宅や特優賃といった公的な制度や、自治体独自の家賃補助を積極的に活用しましょう。

また、物件探しの際には、エリアや設備などの条件を少し見直すことで、選択肢は大きく広がります。

保証人や入居審査といった課題には、保証会社の利用や見守りサービスへの加入など、具体的な対策があります。何よりも大切なのは、一人で抱え込まず、不動産会社や自治体の窓口に正直に状況を相談することです。

計画的な資金計画と利用できる制度の活用、そして少しの工夫で、年金生活でも安心して快適に暮らせる住まいは必ず見つかります。

この記事が、あなたの穏やかなセカンドライフの一助となれば幸いです。

ABOUT ME
不動産マスター
不動産マスター
投資不動産売買、不動産賃貸の仕事に携わってきました。資産構築のための不動産投資や失敗しないためのお部屋探しができるように情報を配信しています。
こちらもおすすめ