引越し・入居後

設備の故障!大家さんと管理会社、どっちに連絡するのが正解?

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賃貸物件で暮らしていると、ある日突然「エアコンが動かない」「お湯が出ない」といった設備の故障に見舞われることがあります。特に真夏や真冬のトラブルは、生活に大きな支障をきたすため一刻も早く解決したいものです。

しかし、そんな緊急時に「あれ、これって誰に連絡すればいいんだっけ?」と大家さんと管理会社のどちらに連絡すべきか迷ってしまう方は少なくありません。連絡先を間違えたり、伝え方が悪かったりすると、対応が遅れてしまう可能性もあります。

この記事では、賃貸物件の設備が故障した際に、誰に、何を、どのように伝えればスムーズに対応してもらえるのかを、具体的な例文も交えながら詳しく解説します。

賃貸の設備が故障!まず確認すべき3つのこと

設備が故障したと慌てて連絡する前に、いくつか確認しておくべき点があります。

もしかしたら、簡単な操作で復旧するかもしれませんし、連絡の際に必要な情報を事前に集めておくことで、その後のやり取りが格段にスムーズになります。

まずは落ち着いて、以下の3つのポイントを確認してみましょう。

1. 故障の原因は本当に本体にあるか?

「故障だ!」と思っても、実は単純な見落としが原因であるケースも少なくありません。

例えば、エアコンが動かない場合は、リモコンの電池が切れていないか、本体のコンセントが抜けていないか、ブレーカーが落ちていないかを確認しましょう。給湯器であれば、ガスの元栓が閉まっていないか、コンロであれば、チャイルドロックがかかっていないかなども確認ポイントです。

これらの基本的な部分をチェックするだけで、問題が解決することもあります。

2. 賃貸借契約書の内容を確認する

次に、入居時に交わした賃貸借契約書を手元に用意しましょう。

契約書には、物件の管理会社の連絡先や、設備故障時などの緊急連絡先が明記されています。また、「設備」に関する項目に、修理費用の負担区分についての記載がある場合もあります。

連絡先やルールを再確認することで、誰に連絡すべきかが明確になります。いざという時のために、契約書はすぐに取り出せる場所に保管しておくことが大切です。

3. 故障した設備は「残置物」ではないか?

故障した設備が、前の入居者が置いていった「残置物」である可能性も考慮しましょう。残置物とは、大家さんの所有物ではなく、あくまで前の入居者の所有物を大家さんの許可を得て設置しているものです。

エアコンや照明器具、ガスコンロなどが該当する場合があります。残置物の場合、修理や交換の義務は大家さんにはなく、費用は入居者負担となるのが一般的です。

契約書や入居時の「設備表」で、その設備がもともと付帯していたものか、残置物なのかを確認しておきましょう。

大家さんと管理会社、連絡すべきはどっち?

設備の故障!大家さんと管理会社、どっちに連絡するのが正解?

故障の原因が本体にあり、付帯設備であることも確認できたら、いよいよ連絡です。しかし、ここで多くの人が悩むのが「大家さんに直接連絡すべきか、管理会社を通すべきか」という問題です。

連絡先を間違えると二度手間になり、対応が遅れる原因にもなりますので、正しい連絡先を理解しておきましょう。

原則は「管理会社」への連絡が基本

ほとんどの賃貸物件では、大家さんが管理業務を不動産管理会社に委託しています。そのため、入居者からの連絡窓口は「管理会社」となります。

家賃の支払いや更新手続き、退去連絡などと同じように、設備の故障といったトラブルの連絡も、まずは管理会社にするのが基本ルールです。

大家さんに直接連絡しても、「管理会社に連絡してください」と言われてしまうことがほとんどです。

なぜ管理会社に連絡するのか?

大家さんは、物件の所有者ではありますが、入居者対応や建物の維持管理といった専門的な業務を管理会社に任せている場合が多いです。

管理会社は、提携している修理業者を複数抱えており、故障の内容に応じて迅速に業者を手配するノウハウを持っています。

入居者からの連絡を一手に引き受けることで、大家さんの負担を軽減し、かつ入居者へスムーズなサービスを提供することが管理会社の役割なのです。

大家さんに直接連絡するケースとは?

例外として、大家さんに直接連絡するケースもあります。それは、大家さんが管理会社に委託せず、ご自身で物件を管理している「自主管理物件」の場合です。

この場合は、大家さんが入居者からの連絡を直接受け付け、修理業者の手配なども行います。自主管理物件かどうかは、賃貸借契約書に記載されている連絡先が、管理会社ではなく大家さん個人の連絡先になっているかで判断できます。

スムーズな対応を引き出す!故障連絡の伝え方【例文付き】

設備の故障!大家さんと管理会社、どっちに連絡するのが正解?

正しい連絡先がわかったら、次は故障の状況を的確に伝える準備をします。

ただ「エアコンが壊れました」と伝えるだけでは、管理会社も状況がわからず、業者への手配に時間がかかってしまいます。必要な情報を整理して伝えることで、迅速な対応を引き出すことができます。

連絡の際に伝えるべき必須項目

電話やメールで連絡する前に、以下の情報をメモなどにまとめておくとスムーズです。

  • 物件名・部屋番号・契約者氏名
  • 連絡のつきやすい電話番号
  • 故障した設備(例:リビングのエアコン、キッチンのガスコンロなど)
  • 設備のメーカー名と型番(本体にシールなどで記載されています)
  • 故障の具体的な状況
    いつから(例:昨日の夜から)
    どんな症状か(例:電源が入らない、冷たい風が出ない、エラーコード「E01」が表示されている、水漏れしているなど)
  • 修理業者が訪問可能な曜日や時間帯の候補

【ケース別】電話での伝え方例文

エアコンが故障した場合

「お世話になっております。〇〇(物件名)〇〇号室の〇〇(氏名)と申します。リビングに設置されているエアコンの件でご連絡いたしました。

昨日の夜から、電源を入れても冷たい風が出ず、生ぬるい風しか出てこない状態です。メーカーはダイキンで、型番は〇〇です。

修理の方に来ていただく場合、平日は18時以降、土日であれば終日対応可能です。」

給湯器が故障した場合

「お世話になっております。〇〇(物件名)〇〇号室の〇〇です。お風呂の給湯器が故障したようなのでご連絡しました。

今朝から、お湯を出そうとしても水しか出ず、リモコンにもエラー表示が出ています。メーカーはノーリツで、型番は〇〇、エラーコードは111と表示されています。

お手数ですが、ご確認をお願いいたします。」

メールや連絡フォームを使う場合のポイント

管理会社の営業時間外や、電話が繋がりにくい場合は、メールや専用の連絡フォームを活用するのも有効です。文章で記録が残るというメリットもあります。

その際も、電話と同様に必須項目を漏れなく記載することが重要です。また、故障状況が視覚的にわかる場合は、スマートフォンで撮影した写真を添付すると、より正確に状況を伝えることができます。

例えば、水漏れの箇所や、リモコンに表示されたエラーコードなどを撮影しておくと良いでしょう。

連絡後の流れと知っておくべき注意点

設備の故障!大家さんと管理会社、どっちに連絡するのが正解?

管理会社へ連絡を済ませた後、どのような流れで修理が進んでいくのでしょうか。連絡してから修理が完了するまでの一般的な流れと、入居者が知っておくべき注意点を解説します。

無用なトラブルを避けるためにも、しっかりと把握しておきましょう。

修理業者の手配と日程調整

管理会社は、入居者からの連絡内容をもとに、適切な修理業者を選定して手配します。その後、修理業者から入居者へ直接連絡が入り、訪問日時の具体的な日程調整を行うのが一般的です。

管理会社から「後ほど業者から連絡が入ります」と伝えられたら、知らない番号から着信があっても対応できるようにしておきましょう。

修理費用の負担は誰がするのか?

入居者が通常通りに使用していて発生した設備の経年劣化による故障の場合、その修理費用は大家さん(貸主)が負担するのが原則です。入居者に修理費用が請求されることは基本的にありません。

ただし、入居者の故意・過失によって設備を壊してしまった場合(例:掃除中に物をぶつけて破損させた、子どもがリモコンを水没させたなど)は、入居者の負担となる可能性があります。

自分で勝手に修理業者を呼んではいけない

「管理会社の対応が遅いから」「知り合いの業者がいるから」といった理由で、自分で勝手に修理業者を手配するのは絶対にやめましょう。

大家さんや管理会社には、付き合いのある指定業者がいることがほとんどです。許可なく修理を行った場合、その費用を自己負担しなければならないだけでなく、契約違反とみなされる可能性もあります。

必ず管理会社からの指示を待って行動してください。

なかなか対応してくれない場合の対処法

連絡したにもかかわらず、何日も折り返しがなかったり、修理業者が手配されなかったりする場合も残念ながら存在します。

その場合は、再度管理会社に連絡し、状況を確認しましょう。いつ、誰が、どのような内容で連絡を受けたのかを伝え、対応を催促します。

それでも状況が改善されない場合は、大家さんに直接相談するか、地域の消費生活センターなどに相談することも検討しましょう。

まとめ

賃貸物件の設備故障は、誰にでも起こりうるトラブルです。いざという時に慌てず、迅速に対応してもらうためには、事前の準備と正しい知識が不可欠です。

今回の記事のポイントを改めて確認しましょう。

  • 故障かな?と思ったら、まずはセルフチェックと契約書の確認を。
  • 連絡先は、原則として「管理会社」。自主管理物件の場合は「大家さん」。
  • 連絡する際は「いつから、どこが、どのように」故障しているかを具体的に伝える。
  • 修理費用は、経年劣化なら大家さん負担。入居者の過失なら自己負担の可能性も。
  • 自己判断で業者を手配するのはNG。必ず管理会社の指示を仰ぐ。

日頃から管理会社の連絡先をスマートフォンに登録しておいたり、契約書をすぐに取り出せる場所に保管しておいたりするだけでも、緊急時の安心感は大きく変わります。

この記事を参考に、万が一の設備故障にもスマートに対応できるように備えておきましょう。

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